8月1日よりバケレン禁止法、Bill 89が執行されました。
Bill89に関する詳細は前回の記事にまとめてあります。
法の執行前後でハワイの不動産オーナーだけでなく、リアルター、不動産協会、そして一部ホテルコンド関係者は情報の少なさからかなり混乱していた状況が続いておりました。
弊社も役所の担当者、他の管理会社、不動産協会と蜜に連絡と取り合って情報収集につとめ、法執行前に違法状況にならぬよう対応策をとりました。
今回は法執行後の状況と今後の行方についてまとめてみたいと思います。
新法の取り締まりについて
今回の新法によってバケーションレンタル(日本で言う民泊)が限定された場所、物件に限られてしまうことになりました。
Bill 89によると「(Airbnbなどに30日未満の短期賃貸に関する)違法広告に関与した不動産所有者にはまず通知され、広告が7日以内に取り下げられた場合、最初の違反に対して罰金は科されません。この期限内に解約されない場合、広告が表示されたままになる日ごとに1,000ドルから10,000ドルの罰金が科せられることがあります。」とあります。
行政は執行後厳しく取り締まっていく方針をバケレンオーナーにメールで通知しています。
取り締まりの内容ですが
- バケレンの広告が違法でないか
- 違法物件が30日未満で営業しているか
に大きく分かれると思いますが、
限られた役所の人権費では当面は1に専念せざるを得ない印象ですし、実際にそのようになるという話があります。
8月以降すでに入っている予約の扱い
Bill 89が成立したことにより、ワイキキでリゾートゾーン以外、主にクヒオ通りから北側は法律を素直に読むとオーナー非居住型は禁止ということになります。
アパートゾーンに物件を所有しており、ユニット全てを貸し出している方はBill89に該当します。
今回影響があったオーナーの多くはすでに8月以降の予約が多く入っていたかと思います。
予約を消化するのか、それともすべてキャンセルするのかは各オーナーの判断となっているところが多いようです。
現に今回影響のあったアストンなどのホテルコンドは同様に予約を消化していると聞きます。
ちなみにAirbnbと確認したところ、今回の法規制で影響のあるホストの予約は
予約不可やスーパーホストステータスへのペナルティは一切なしで
一斉キャンセルをしてくれるとのことです。
オーナーにとっては若干ではありますが安心材料かと思います。
ゾーニングによってNGになったワイキキリスト
さて、今後もバケレン経営が可能な物件を再度おさらいしますと、
- リゾートゾーンにある物件
- NCU(Non Conforming Use Certificate – 通称バケレンライセンス)が付帯している物件
- 区画そのものが2の要件から免除されている建物
- 1, 2, 3ともにハウスルールでバケレンを禁じていない
となります。
以下のリストはDPP(Department of Planning and Permitting)という行政部門が上記3の
所在地のゾーニングによってバケレンがNGになった、もしくはもともとNGの建物のリストです。
DPPは各所の問い合わせに下記のリストを用いてバケレンOK、NGの回答をしているようで、
ここにリストされている物件は現時点では基本NGということになります。
反対に数は少ないですが所在区画がすでにNCUの免除を受けており、アパートゾーンながらもバケレン経営が継続可能な建物もあります。
反対派は市を提訴した
Bill 89が執行され、早くも市は複数の団体から提訴されています。
まずはHawaii Vacation Rental Owners Associationというバケレンオーナー団体が提訴、8月15日には最初のヒアリングが予定されています。
そして先週ワイキキバニアンが提訴しました。
ワイキキバニアンは日本の方にも馴染み深い人気のコンドで、僕も今年1戸買ったばかりです。
約750戸のうち、実に89%がアストンホテル経由、もしくは民泊などで短期賃貸をしているそうです。
そのうちの大半を管理していると思われるアストンホテルの収益は大打撃を受けています。
現在アストンが預かっている物件もすべて30日単位の賃貸に変更していますので、彼らは現在ビジネスが成り立っていないことでしょう。
30年以上もホテルとして事業税、ホテル税を納税してきたのに、ゾーニングがアパートだったということだけで現在は民泊NGとされているのです。
さて、提訴した二組の目的はTemporary Injunction (取り締まりの仮差し止め)です。
裁判で闘っている間は、Status Quo(現状)を維持することができる、すなわち民泊を引き続き継続できるようにすることだと言われています。
たしかにアイランドコロニーでは係争が続いている間は民泊は容認されていました。
もしかしたらバニアンはこの形に持っていける可能性があるかもしれませんので、
バニアンオーナーの方は投げ売る前に下記フォームからご相談下さい。
最新情報を常にアップデートいたします。
ワイキキバケレンの今後
前回の記事では新法に触れる物件を所有されているオーナーは以下の選択肢があると書きました。
賃貸を30日以上にする
ライセンス付、もしくはリゾートゾーンの物件に買い換える
何れにせよ今後の動きを注視
提訴もあり、現在は全く取り締まりが行われていないという噂もあります。 もしかしたら前項の仮差し止めがあるかもしれませんが、まずは30日以下の違法広告は取り下げておくのが無難でしょう。
個人的にはワイキキのような特別な場所は民泊を自分で所有している物件で行うのは全く問題ない[はず]と思います。
ただでさえ税収不足で悩んでいる州でなぜ自分の首を閉めるようなことをするのだろうと全く理解できません。
まずは裁判の行方を見守りつつ、すぐに動けるような体制でいたいと思います。
読者の皆様にも引き続き情報アップデートしますね。
ご所有のコンドによっては買い替えも選択肢に入ってくるかと思います。弊社データベースには1980年代に発行された現存800件のバケレンライセンス付の売り物件を全件把握しています。
買い替え、新規購入によって合法的にバケレンが経営できる物件にご興味のある方は以下よりお問い合わせください。
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